2023年12月の歌舞伎座での演目に注目です。3部制で行われる12月大歌舞伎は、第一部に初音ミクと化け猫が、第二部には狐と鷹、第三部は架空の動物猩々と姫路城の天守に住む魔界の女たち、人間じゃないモノが登場する歌舞伎が多くラインナップされ、第二部の「俵星玄蕃」だけが人間の物語という趣向です。そんな12月の歌舞伎座についてまとめてみました。
2023年12月歌舞伎座 十二月大歌舞伎 第一部
ペンライトOK?初音ミクが歌舞伎座に
一、旅噂岡崎猫(たびのうわさおかざきのねこ)
【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
おさん実は猫の怪 坂東巳之助
由井民部之助 中村橋之助
お袖 坂東新悟
坂東巳之助さんがの化け猫っぷりが楽しみな一幕です。
由井民部之助とお袖夫婦は幼い子を連れて、東海道の岡崎宿の外れにある無量寺に一夜の宿を求めます。
そこには病死したはずのお袖の母親と瓜二つのおさんという老婆がいました。
実はこの老婆の正体は怖ろしい猫の化物なんです。
この化け猫が十二単を着て現れるなど突飛な発想の作品です。
超歌舞伎 Powered by NTT
二、今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
佐藤四郎兵衛忠信 中村獅童
美玖姫 初音ミク
蝶の精 中村種之助
陽櫻丸/狐の精 小川陽喜
夏櫻丸 小川夏幹
初音の前 中村蝶紫
青龍の精 澤村國矢
頭取 市川青虎
神女舞鶴姫 中村七之助
朱雀の尊 中村勘九郎
とうとう超歌舞伎が歌舞伎座に来てしまいます。
有名な歌舞伎演目である「義経千本桜」とボーカロイドの初音ミクの代表曲「千本桜」からアイデアを得て書き下ろされた「今昔饗宴千本桜」は「ニコニコ超会議2016」で初めて上演されました。
古典歌舞伎とNTTの最新のテクノロジーで作り上げられる超歌舞伎。
歌舞伎座ではペンライト使用がOKになるそうですので、楽しんだもん勝ちですね。
中村獅童さんの次男小川夏幹クンの初お目見えも楽しみです。
2023年12月歌舞伎座 十二月大歌舞伎 第二部
講談が歌舞伎に?歳末はやっぱり赤穂浪士
一、爪王(つめおう)
【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
狐 中村勘九郎
鷹 中村七之助
庄屋 中村橋之助
鷹匠 坂東彦三郎
雪の降る日、鷹匠は庄屋から、悪い赤狐を退治するよう頼まれます。
鷹匠は吹雪と名付けた鷹を連れて山へ向かいますが、狐に敗れてしまいます。
吹雪は深い傷を負いますが、鷹匠のおかげで元気を取り戻します。
春が訪れ、吹雪は再び大空へ舞い上がり、再び狐に挑みます。
激しい戦いの末、吹雪は見事に赤狐を退治します。
鷹と狐の戦いがダイナミックに表現される舞踊劇で、動物と人間のきずなが描かれています。
二、俵星玄蕃(たわらぼしげんば)
【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
俵星玄蕃 尾上松緑
当り屋十助実は杉野十平次 坂東亀蔵
大石主税 尾上左近
中村藤馬 市川青虎
村松三太夫 中村吉之丞
三村次郎左衛門 市村橘太郎
前原伊助 中村松江
吉田忠左衛門 河原崎権十郎
2022年の10月初演の「荒川十太夫」という講談を歌舞伎化した演目がありました。
このお話は忠臣蔵の赤穂義士の討ち入り事件の後日談としてのお話です。
そして今回同じく講談を元に新作歌舞伎として上演されるのが「俵星玄蕃」で、これは討ち入り前の計画段階でのお話となります。
私は、尾上松緑さんの荒川十太夫を拝見して、松緑さんにすごく興味を持ちましたのでこの年の暮れに講談から歌舞伎化される赤穂義士の新作がとても楽しみです。
2023年12月歌舞伎座 十二月大歌舞伎 第三部
玉様が亀姫に?平成中村座で好評を博した演目が歌舞伎座に
一、猩々(しょうじょう)
【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
猩々 尾上松緑
酒売り 中村種之助
猩々 中村勘九郎
猩々というのは中国の古典に出てくる架空の動物です。
人の言葉を理解し操ることもできる動物で大のお酒好きで、なかなかかわいい生き物です。
酒売りが夢のお告げを受けて海辺にやって来きたところへ、猩猩が現れ酒売りにお酒をおねだりします。
酒売りにお酒を与えられごきげんに飲んでは、おめでたい舞を舞うという舞踊の演目です。。
その猩々を尾上松緑さんと中村勘九郎さんが踊られ、酒売りは中村種之助さんという顔合わせがとても楽しみです。
二、天守物語(てんしゅものがたり)
【出演者】
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/846
富姫 中村七之助
姫川図書之助 中村虎之介
舌長姥/近江之丞桃六 中村勘九郎
薄 上村吉弥
小田原修理 片岡亀蔵
朱の盤坊 中村獅童
亀姫 坂東玉三郎
原作は泉鏡花の「天守物語」なのでストーリーもそのままです。
姫路城の天守閣には人間ではない美しい異形の者たちが暮らしています。
その主である富姫は、猪苗代から遊びに来ている亀姫に、姫路のお殿様:播磨守の白鷹を捕まえてお土産に与えるるのです。
その後、白鷹を探しに美しい顔立ちの姫川図書之助がやってきます。
心も姿も美しいく清い図書之助に恋心を抱く富姫は天守に残るよう願いますが、人の世界に未練を持つ図書之助が天守に来たことのあかしとなるように兜を渡してらせます。
が、その兜の精で主君に反逆したと汚名を着せられてしまいます。
追手に終われて天守に逃げ込んでく来る図書之助。
天守にある獅子の眼をが傷つけられ、天守の者達は目が見えなくなってしまう。
姫路城の平成中村座で好評を博した七之助さんの富姫、虎之介さんの図書之助が歌舞伎座でも再演されます。そして坂東玉三郎さんの亀姫。
もう、楽しみ以外の何物でもありません。
まとめ
2023年12月の歌舞伎座は3部構成という事で、度の演目も観てみたい楽しみな演目で攻めて来られた感じです。どれもこれも見逃せない演目でなので東銀座に通ってしまいそうで怖いですね。
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