2024年の新春浅草歌舞伎の演目が発表されました。そのやる気に満ちた演目にはちょっとびっくりというかここは歌舞伎座じゃないよ、浅草だよーと思わず突っ込んでしまいたくなるほどです。若手花形役者が歌舞伎座では上演できないような演目がずらっと並ぶ2024年新春浅草歌舞伎の演目についてまとめてみました。
2024年の浅草歌舞伎はいつから?どこで?
公演期間 |
2024年1月2日(火)~26日(金) ※21日第2部は着物で歌舞伎デーです。着物着用は必須ではありませんが着物着用の方には記念品贈呈 |
第1部(開演~終演予定時間) |
午前11時~未定 |
第2部(開演~終演予定時間) |
午後3時~未定 |
休演日 |
8日(月・祝)、19日(金) |
劇場 |
浅草公会堂(東京都・浅草) |
料金(税込) |
1等席:9,500円 2等席:6000円 3等席:3000円 |
2024年新春浅草歌舞伎の魅力って
・若手中心の出演者の構成
最年長でも尾上松也さんの38歳、しかも今年は卒業されるのではとの噂がありましたが今年も若手を引っ張るリーダーとして出演されます。
そして、卒業が噂された他のメンバーも昨年から引き続きの出演ですし、中村米吉さんも2020年以来の登場です。
・お正月の浅草、お芝居の前後も楽しめる
お正月の浅草は賑やかで華やかな空気に包まれます。
浅草寺や今戸神社に初詣をしたり周辺のカフェや老舗のお店でお茶やお食事も楽しめますので、お正月の浅草と歌舞伎をセットで楽しんでいただけたらと思います。
・初心者でも入って行きやすい演目
恋に一途なお姫様が出て来たり、お妾さんとの恋に落ちて顔も身体も傷だらけにされる色男や、妹の仇を取るために酔っぱらって殿様の屋敷に向かう兄やら、2024年の演目もわかりやすく楽しめる演目がそろっています。
新作歌舞伎のファイナルファンタジーや刀剣乱舞で初めて歌舞伎を見られた方が、次の歌舞伎として観るにはピッタリじゃないかと思います。当に歌舞伎本丸!!
・お年玉がもらえる。
お年玉がもらえると言ってもポチ袋に入れて役者さんが配ってくれるわけではないんですが、一部・二部の最初に出演者のひとりが新年のご挨拶をされます。
いつ誰があいさつされるのかは事前に発表されますので、お気に入りの役者さんが挨拶される日を狙ってチケットを買うのもいいですね。
・チケット代がお手頃
新春浅草歌舞伎の場合一番高い一等席でも9500円です。
歌舞伎座の一等席の約半分の価格で観ることができるので、とてもお得です。
ですので是非、一部・二部両方とも観劇されることをお勧めします。
ビジュアルが公開になりました!!
2024年の浅草歌舞伎の演目は?
第1部
一、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)十種香
八重垣姫 中村 米吉
武田勝頼 中村 橋之助
腰元濡衣 坂東 新悟
白須賀六郎 中村 種之助
原小文治 坂東 巳之助
長尾謙信 中村 歌昇
恋に一途なお姫様を止めることは誰にもできない。
死んだフィアンセそっくりの美少年との間を取り持ってほしいと腰元にお願いしたり、ところがその死んだと思っていた恋人が実は生きていてその人だと知るや、その人の命を救うために氷が張り詰めた湖を渡ろうとしたり、かなり破天荒なお姫様役が中村米吉さん、死んだはずの美少年フィアンセが中村橋之助さんです。
二、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)源氏店
切られ与三郎 中村 隼人
妾お富 中村 米吉
蝙蝠の安五郎 尾上 松也
和泉屋多左衛門 中村 歌六
小間物問屋の若旦那はイケメンで気立てもいいのに、訳あって放蕩を繰り返し勘当された挙句、木更津に預けられています。
江戸で人気の芸者お富はやくざの親分のお妾さんとして木更津で何不自由なく暮らしていたところで、二人は出会い恋に落ちてしまいます。
それが主人にばれて、若旦那は顔や身体中に傷をつけられ・・・二人の運命やいかに・・・
若旦那与三郎は中村隼人さん、妾のお富は中村米吉さんの顔合わせが激しく楽しみです。
三、神楽諷雲井曲毬(かぐらうたくもいのきょくまり)どんつく
荷持どんつく 坂東 巳之助
親方鶴太夫 中村 歌昇
太鼓打 中村 種之助
大工 中村 隼人
子守 中村 莟玉
若旦那 中村 橋之助
芸者 中村 米吉
白酒売 坂東 新悟
田舎侍 尾上 松也
亀戸天神前で繰り広げられる流しの曲芸(大神楽)を舞踊で表現していている楽しい舞踊の演目です。
どんつくというのは動きが鈍く愚鈍な様子を指しますが、その辺りを滑稽に面白く表現する坂東三津五郎さんゆかりの演目を息子の巳之助さんが演じ、出演者全員の総踊りは目にも優しく、お正月気分爆上げで間違いなし!
第2部
一、一谷嫩軍記 熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実 中村 歌昇
相模 坂東 新悟
藤の方 中村 莟玉
梶原平次景高 中村 吉之丞
堤軍次 中村 橋之助
源義経 坂東 巳之助
白毫弥陀六 中村 歌六
源平の合戦が行われている時代、源義経の家来熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)は、敵軍の平敦盛(たいらのあつもり)の命を助けるよう密命を受けます。
やむなく直実の息子の小次郎を身替りとし殺してしまいます。
しかし、熊谷の陣屋に、直実の妻の相模(さがみ)が息子のことを心配してやって来るところから物語が始まります。
二代目中村吉右衛門さんが何度も演じられたお役で、その役を「播磨屋の芸の継承」にこだわる中村歌昇さんが演じられ、同じく播磨屋の中村 歌六さんが白毫弥陀六を演じられるのも見どころかと思います。
二、流星(りゅうせい)
流星 中村 種之助
七夕の夜、織姫と彦星が久々の逢瀬を楽しんでいるところに流星がやってきます。
しかも雷様の夫婦喧嘩という年イチのおデートを楽しむ二人にはどうでもいいようなことを伝えにやってきます。
雷様一家の騒動をひとりの役者が演じ分けるという作品です。
これを種之助さんが一人で演じ分けられるということですので、楽しみです。
三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
魚屋宗五郎 尾上 松也
女房おはま 坂東 新悟
小奴三吉 中村 種之助
磯部主計之助 中村 隼人
菊茶屋娘おしげ 中村 莟玉
菊茶屋女房おみつ 中村 歌女之丞
父太兵衛 市村 橘太郎
鳶吉五郎 中村 橋之助
召使おなぎ 中村 米吉
岩上典蔵 坂東 巳之助
浦戸十左衛門 中村 歌昇
魚屋宗五郎の妹お蔦は旗本の磯部主計之助(かずえのすけ)のお屋敷へ妾奉公に上がりました。
お蔦への横恋慕する侍の策略にはまり、不義密通を言い立てられ主計之助に手討ちにされてしまいます。
その非道な最期を聞いた兄の宗五郎が酒を飲みしたたか酔っぱらってお殿様の屋敷に行って大暴れするというお話。
普通ならその時点で兄宗五郎も手討ちは免れないところですが、浦戸十左衛門のとりなしにより、お殿様の方から謝罪してくれるというストーリーです。
松也さんの妹を思う兄の心情と大酔っ払いぶりが楽しみです。
まとめ
2024年新春浅草歌舞伎の演目についてまとめました。2023年の歌舞伎界をしっかりと支えてきた若手の皆さんの初春のかっこいい姿を是非楽しんでくださいね。最後までありがとうございました。
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